大東亜黙示録 轟


対応機種 PC-9801 VM/UV以降
FM-TOWNS
価格 9800円
発売年度 1991年
備考 HDD非対応 I.Oバンク方式増設メモリ対応


紹介
ウルフチームの作品です。
太平洋戦争の全期間を扱った戦略級シミュレーションゲームです。
プレイヤーは日本軍を受け持ち、連合軍と有利な条件で講和を果たすことを目的としています。


内容説明
グラフィックの美しさが抜群。
BGMのセンスも最高。
これでゲーム内容が伴えば・・・という作品です。終わり。


本当はここで解説を止めたいのですが、このゲームをプレイしたからには、たとえ血反吐を吐こうとも語らねばならぬ自然法上の義務が発生するわけなんですな、これが。


このゲームでは、補給・生産については考えなくても構わないくらい大甘です。
それどころか、補給や生産という概念が考慮されていない可能性すらあります。
私がプレイした時は、戦争序盤に米艦隊を壊滅させると、その後終戦のその日まで敵艦に出会うことは全く、一度として、これっぽっちも、掛け値なしに、ありませんでした。
これは難易度設定に拘わらず、再現性があります。
もし、皆さんの中で米軍が生産行動を怠っていないという証拠をつかんでいる方はお知らせ下さい。
私の見た事実がバグではなく正常な動作であったなら、このゲームは最低最悪のゲームです。
生産力のない戦略級シミュレーションゲームなぞ、ゲームではありません。

と思ったら、「生産しているらしい」という情報を頂きました。

10数回プレイしたうち、2回ほど、初期にいなかった敵艦を見たことがあります。
42年6月ころでしょうか・・
米艦隊を一度殲滅した後、ウェーク付近で空母ボーグ2隻の艦隊に遭遇しました(ただし艦載機なし)

ということです!
おおっ、生産していたのか!!
でも、あの巨大な生産力を誇る米国の面影はどこへ!!


もう一つ理解に苦しんだ点は、日本が連合軍を圧倒し、太平洋を始め、アジア、シベリアをも制圧、あとはロサンゼルスを陥落させるだけといった状況(米軍が何も生産しないんだから、圧倒できるのは当然です)で、なぜか大湊に核爆撃・・・。
続いて沖縄。
???
これも「シャングリラからの爆撃」なんでしょうか。


評点
操作系 キーボードだけでも操作は可能ですが、マウスがあった方が便利でしょう。
ただ、マウスボタンの使い方がやや特殊なので、とっつきにくい面があります。
★★★
グラフィック 色使いは特筆ものです。
センスの良さにかけては、現在のウィンドウズ用ソフトに正面きって勝負ができるほどの仕上がりです。
ウルフチームは高画質のグラフィックで鳴らしたソフトハウスですが、その期待を裏切りません。
★★★★★
音楽 うおおおおっ、燃えるっ、燃えるぞっ!!!
凄すぎます。
良すぎます。
これは必聴です。

しかもMIDI対応。
時期が時期ですので、対応音源はローランド社のMT32、CM32L、CM64と古いです。
SC88でのエミュレートも可能ですけどね。

★★★★★
オープニング おっかさん見てみな、あれが轟のオープニングだよ。

もう感涙もの。
日本製PCウォーシミュレーションとしては、白眉。
音楽、演出、画質、どれをとっても非の打ち所なし!
未だに、時々見とれています。
でもオープニングだけ見てリセット。

★★★★★
資料価値 資料的な価値のある冊子は添付されていません。
ゲーム中に参照できるデータ図も、ゲームで使用するパラメータのみが表示されるに止まり、要目などはありません。
問題外。
難易度 とにかく、あれがバグなのか仕様なのかにかかっています。
バグであるなら評価は留保します。
しかし、もし仕様である場合、難易度をつける作業自体に難易度★★★★★をつけます。
総評 グラフィックの美麗さとBGMの秀逸さという点においては、他の追随を許しません。
ゲーム性の壊滅度という分野でも他の追随を許しません。ほとんど独走状態と言っても過言ではないでしょう。
鑑賞用ソフト、これはそういったソフトです。
それなら、激怒せずに済みます。
そうであって下さい。
そうであってくれよーう(号泣)
★★

「大東亜黙示録 轟」は、株式会社 ウルフ・チームの著作物です。


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